データから考察する
高浜町が休暇を楽しめるリゾート地であるとともに、仕事~Work~を行う環境として
どのような効果が得られるのかを検証するために、脳波計測による感性把握技術を用いて実験を行いました。
- 検証方法
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- 使用デバイス:感性アナライザ(電通サイエンスジャム社提供) 実施期間:2020年10月5日~7日(2泊3日) モニター:首都圏企業在席の男性社員5名
- 瞑想状態の評価:起床後と就業直後に10分の瞑想状態の計測を自宅、高浜町の両条件で行う。また、アクティビティの前後に脳波を測定し、比較を行った。
- 生産性の評価:被験者には、自宅で、業務を模した①クレベリンテスト②通常の業務中の脳波を計測し、高浜町で同様のタスクを実施。得られた感性の比較を行った。
ストレス度の変化
3日以上の滞在が効果的
ストレス度では、高浜町内でのテスト実施時の方が高まりました。一方で、滞在2日目からストレス度が下がっている被験者がいることから滞在の長期化に伴い、環境への適応からストレスの減少も期待できます。
\ SPIRE視点で /自分にあったアクティビティを探そう
ある被験者の結果で、星空観察ではストレス度が減少した一方、焚き火ではストレス度が上昇したことがわかりました。このことから自分にあったアクティビティを選択することで、より良い効果が得られると考えられます。
瞑想を深める
呼吸法を知っておこう
座禅体験では、足の痛さや移動の疲れなどで瞑想状態に入りづらい結果が出ていました。しかしその後、和尚さんから教わった呼吸法を実践した結果、瞑想状態が上昇していることがわかりました。呼吸法を知ることが、より効果的な瞑想につながると考えられます。
都会に住む人ほど瞑想度がUPしやすい
都内在住で普段から自宅でリモートワークを行っている被験者では、高浜町2日目、3日目で瞑想状態が高まっており、都会や自宅で窮屈に業務行っている方ほど効果を得やすい可能性があります。
海・山の風を感じよう
滞在2日目、景色の良い青葉山の中腹で自然の風を受け、3日目は若狭和田ビーチの浜風を受けながら瞑想を行いました。早朝の静けさの中、体全体に意識を向けられたことにより、深い瞑想状態を得られることがわかりました。
※都内在住の被験者のみ
仕事のモチベーション
環境の変化で、モチベーションは上がる
在宅でのリモートワークと比べ、モチベーションの上昇や覚醒状態の上昇が多数の被験者で確認できました。働く環境を変えることは、感覚的だけでなく、データ的にみても、モチベーションが上がるということがわかりました。
「つながり」の種類が多いほど、健康寿命がのびる!
健康のために運動や食事に気を遣っているという方は多いと思いますが、それよりも「人とのつながりの力」が健康寿命をのばすと云われているのをご存じですか?健康の指標のひとつとして「友達が多いほど健康になる」というエビデンスが証明されています。さらに、一つの関係性でたくさんのつながりを持つよりも、小さくても多くの種類のつながりを持つ方が良いということがわかっています。なので健康のためにもワーケーションで新たな友だちづくり、つながりづくりを実践するのもいいですね。
井階 友貴 医師まちづくり系医師・医学博士
福井大学医学部プライマリケア講座教授